時速5キロ、10キロ、20キロの追突事故でも「むち打ち」になるのか?

追突事故に遭った際、たとえ軽い衝撃だったとしても、むち打ちなどの症状がでる可能性はあります。むち打ち症状や頭痛、首や腰の痛みは耐え難いものでしょう。また、保険会社や加害者から疑いの目で見られることは、被害者にとって二重の苦しみをもたらします。

この記事では、なぜ低速で事故が起きた場合、むち打ち症状が虚偽であると疑われがちなのか、むち打ちの治療法や治療を受けるうえで気をつけるべき注意点を解説しています。むち打ちでお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

 

時速5km、10km、20kmでもむち打ちになる?

むち打ちとは、交通事故などで首に強い衝撃が加わり、首の筋肉や靭帯などが損傷した状態のことです。症状がひどい場合、骨や神経を痛めている可能性もあるため注意が必要です。また、むち打ちになると、首の痛みや頭痛、吐き気、めまいなどの症状が現れますが、事故直後には自覚症状がでないことも多くあります。

むち打ちの原因となる事故の速度は、一般的には時速20km以上とされていますが、低速度でもむち打ちになる可能性はあります。

 

低速度の追突事故でむち打ちになるメカニズムとリスク

なぜ低速度の追突事故なのに、むち打ちになるのでしょうか。そのメカニズムは、高速で事故が起きた場合と同じです。追突された車は前方に加速し、乗っている人の頭は慣性の法則により後方に残ります。

その結果、首が前後に大きくしなり、軟部組織にダメージを与えることで、むち打ち症状を起こします。

そして低速度の場合でも、事故を予見できず無防備な状態で追突されてしまうとむち打ち症状が起こる可能性はあるのです。そのほか、シートベルトやヘッドレストの装着状況、衝突角度や方向、乗員の体格や姿勢などによって、むち打ちになることは十分起こり得ます。

また、低速度の追突事故でむち打ちになると、以下のようなリスクが考えられます。

 

  • ・病状が軽微なため医療機関を受診しない
  • ・事故が起きてしばらくしてから症状が悪化する
  • ・保険会社・加害者から事故と症状の因果関係を疑われる

 

そのため、損害賠償の請求が困難になる可能性や症状が長期化することで、日常生活や仕事に支障をきたす可能性があるのです。

 

なぜむち打ちは疑われるのか?

むち打ちは交通事故の被害者に多く見られる怪我ですが、その一方で虚偽ではないかを疑われやすい怪我でもあります。

むち打ちが疑われる理由は、以下の3点です。

 

  • 1.自覚症状のみで判断しづらいから
  • 2.低速での事故は症状が出にくいから
  • 3.保険金を搾取しようとする人がいるから

 

それぞれについて詳しく解説します。

 

理由1:自覚症状のみで判断しづらいから

むち打ちは、骨や内臓などには異常がなく、自覚症状のみで診断されることが多いです。しかし、自覚症状は主観的であり、人によって感じ方や表現方法が異なります。そのため、保険会社や加害者から、症状の程度や真実性を疑われることがあります。

むち打ち症状は、症状を証明するための証拠を揃えることが大変です。むち打ち症状の場合は外傷がないので、症状を客観的に立証しづらいためです。客観的証拠がないと治療の必要性が不透明で慰謝料請求が難しくなるため、病院を受診する際は医師に細かく症状を伝え、「事故によるむち打ち症である」という診断書を必ずもらえるようにしましょう。

 

理由2:低速での事故は症状が出にくいと思われているから

むち打ちは、事故の速度と症状の重さには必ずしも相関関係がないとされています。しかし一般的には、速度が低いほど症状が出にくいと考えられています。そのため、低速での事故でむち打ちになった場合、保険会社や加害者から、事故と症状の因果関係を否定されることがあるでしょう。

また、むち打ちは衝突事故に遭ってから、時間差で症状が発症します。そのため事故直後に受診した病院で元気そうな様子だと、治療の必要性がないと考えられてしまう場合もあります。

 

理由3:保険金を搾取しようとする人がいるから

むち打ちは症状が出にくく、証明しにくい怪我です。そのため、保険金を搾取しようとする人がわざとむち打ちを主張することがあります。このような不正な請求があるため、本当にむち打ちになった人も疑われる可能性があるのです。

またむち打ちは治療期間が長引く傾向にあるため、医療費支払いが延びると総額の治療費・慰謝料が高額になる可能性があります。保険会社は医療費の支払いなどを早々に打ち切りたいと思っているため、打ち切りを提案してくることもあるでしょう。

もし正しく治療を受けられなかった場合は後遺障害が残る可能性もあるため、正しい治療を受け、完治を目指すことが大切です。

低速度の追突事故でむち打ちになった場合の治療法と注意点

低速度の追突事故でむち打ちになった場合、適切な処置をしてくれる接骨院や整形外科を選ぶ際には注意点があります。適切な治療を受けられないと保険金の支払いなどを依頼するときに強く言い切れず、精神的負担が高くなるリスクもあります。

具体的には、以下の点が大切なポイントです。

 

  • ・むち打ちに効果的な接骨院や整形外科の紹介と選び方
  • ・むち打ちの治療に必要な期間と費用

 

それぞれについて解説します。

 

むち打ちに効果的な接骨院や整形外科の紹介と選び方

むち打ちの治療には、接骨院や整形外科の受診が効果的です。接骨院では、首や肩の筋肉や関節に直接アプローチする手技療法や物理療法を行います。一方整形外科では、レントゲンやMRIなどの画像検査を受け、骨や神経に異常がないかを確認し、必要に応じて薬物療法や注射療法なども行います。

接骨院や整形外科を選ぶときには、以下の点に注意しましょう。

 

  • ・交通事故治療に対応しているかどうかを確認する
  • ・保険会社との連絡や書類作成などのサポートがあるかどうかを確認する
  • ・治療内容や費用・期間などを事前に説明してもらう
  • ・治療効果や経過を定期的に報告してもらう
  • ・信頼できる口コミや評判を参考にする

 

上記のポイントを意識して、接骨院や整形外科の受診を検討してください。

 

むち打ちの治療に必要な期間と費用

むち打ちの治療に必要な期間と費用には、個人差があります。

一般的には、以下のように費用や治療期間が発生します。

治療期間 平均2~3ヵ月
治療費 ・相手側の自賠責保険や任意保険でカバーできるため、大半のケースでは窓口負担0円で通院可能。
・相手が無保険車の場合や健康保険で治療を受ける場合、自己負担が必要。治療費は施術内容によって異なるが、1回あたり数千円から数万円程度が目安。
慰謝料 ・治療期間中に受けた精神的苦痛に対する補償金
・慰謝料は自賠責保険や任意保険で請求が可能
・計算方法や支払い時期には基準やバラつきがある
・慰謝料は治療期間や通院回数によって異なる
・1日あたり数千円から数万円程度が目安

むち打ちの治療にかかる費用や期間を把握することで、保険の必要性を相手へ訴えやすくなります。また、加害者側で正しく理解していない場合もあるため、まずは自分自身が把握し、正しい対応を求めましょう。

むち打ち治療はドリーム接骨院へご相談を

むち打ちは放置すると慢性化したり、後遺症が出たりする可能性があります。また事故直後よりも、時間が経過してから痛みを感じる可能性が高いため、痛みがなくてもすぐに検査を受けてください。

さらに、むち打ちは自覚症状の証明をすることが難しいため、接骨院などを受診した際は、症状を正しく伝えましょう。正しい治療を受けないと、痛みや症状が長引いてしまいます。低速度の追突事故でもむち打ちの症状がある方は、ぜひ一度ドリーム接骨院へご相談ください。