むちうちを早く治すには温める?冷やす?時期ごとの対処法を解説
交通事故などで強い衝撃がかかって起きてしまう、むちうち。首だけでなく、全身のさまざまな部分に痛みが生じる場合もあり、誰もが「一刻も早く治したい」と思うのではないでしょうか。むちうちは、時間の経過と共に自覚する症状が変化していくため、適切な時期に適切な治療を受ける必要があります。
そこでこの記事では、むちうちを早く治すための対処法を、2つの時期に分けて解説します。また、ある程度症状が落ち着いてから、自宅でできるセルフケアもご紹介します。
むちうちの正しい治し方を知って、1日でも早くつらい痛みを解消しましょう。
ぜひ最後までお読みください。
目次
むちうちとは
むちうちとは、交通事故などで首に強い衝撃がかかり、筋肉や靭帯が損傷してしまう怪我です。正式名称は「頚椎捻挫」や「頚部挫傷」、「外傷性頚部症候群」といいます。
むちうちは、大きな交通事故の時にだけ起こるものではありません。軽い追突事故の衝撃でも、気づかぬうちに首に大きな負担が加わり、むちうちになる場合があります。そのため少しでも「むちうちかも?」と思ったら、すぐに適切な治療を受ける必要があるのです。
むちうちの症状
むちうちにはさまざまな症状があります。主な症状は以下の通りです。
- ・首の痛み
- ・腰の痛み
- ・頭痛
- ・めまい
- ・吐き気
- ・手足のしびれ
- ・耳鳴り
- ・脱力感
- ・胃腸等消化器官の機能低下
- ・食欲不振
- ・不眠
- ・集中力の低下
これらの症状は、交通事故直後に現れるとは限りません。事故後数日〜1週間程度経った後に自覚症状が出る場合もあります。
むちうちの治療期間
むちうちの一般的な治療期間は、2ヶ月前後とされています。しかし、むちうちは損傷の具合によって症状の現れ方が大きく異なるため、治療期間はさまざまです。
2〜3週間で治るケースもあれば、6ヶ月以上経っても完治しないケースもあります。治療期間の目安は、ご自身の通院先で尋ねるのがよいでしょう。
むちうちを早く治すには
ここからはむちうちを早く治すための対処法について解説します。
むちうちの対処法を知るうえで大切なのが、「急性期」と「慢性期」の2つの時期です。怪我をしたばかりの時期を「急性期」、ある程度症状が落ち着いた時期を「慢性期」と呼びます。そして「急性期」と「慢性期」では、対処法が大きく異なるのです。
それでは、それぞれの対処法を詳しく見ていきましょう。
急性期
急性期は安静にしていても痛みを強く感じます。多くの場合、怪我をしてから3日〜1週間程度は急性期にあたるでしょう。
むちうちを早く治すための、急性期の対処法は、以下の通りです。
- ・冷やして炎症を和らげる
- ・動かさず安静にする
まずは、アイシングや湿布などで患部をしっかりと冷やします。そのままなるべく動かさないようにして、安静に保ちましょう。状態によっては、頚椎カラー(コルセット)などで首を固定する場合もあります。
また、急性期はなるべく体を温めないようにする必要があります。長時間の入浴は控えましょう。
慢性期
慢性期には炎症や痛みはある程度落ち着いています。痛みが和らいでいても油断せず、完治に向けて適切な対処をしましょう。
むちうちを早く治すための慢性期の対処法は、以下の通りです。
- ・温めて筋肉の緊張を和らげる
- ・直接触って筋肉をほぐす
- ・日常生活の姿勢や動作の改善
慢性期は温めながらマッサージなどで筋肉を緩め、症状の緩和を促します。さらに必要に応じて、日常生活で首に負担をかけないための姿勢や動作の改善も行います。
また、慢性期は入浴をしたり無理のない範囲で首を動かしたりしても問題ありません。
むちうちの通院先
むちうちが軽症の場合、「通院しなくても治せそう」と考えてしまいがちですが、それは危険です。むちうちの症状が出たら、なるべく早く通院をするようにしましょう。
ではむちうちはどこへ通えば治るのでしょうか。むちうちの通院先について解説します。
整形外科
むちうちの症状が出たら、まずは整形外科を受診しましょう。整形外科では、X線(レントゲン)検査やCT検査、MRI検査などの画像検査ができ、医師による正確な診断を受けられます。
また必要に応じて手術や薬の処方、リハビリなども可能です。さらに、慰謝料の請求などの手続きの際に必要となる「診断書」も取得ができます。
交通事故にあったらまず整形外科へ行き、医師の診断を受けましょう。
整骨院
整骨院でも柔道整復師の施術によって、むちうちを治せます。むちうちは、画像検査には症状が写らずに、整形外科で「異常なし」と診断されてしまう場合があります。このような時、整骨院では、身体に直接触れて施術を行い、痛みを緩和してくれるのです。
また交通事故の治療に強い接骨院の場合、急性期の強い痛みを鎮めるのに有効な特殊な電気治療や、頭痛やめまいなど神経の乱れからくる症状の改善に有効なカイロプラクティック系の治療を行っているところもあります。
まずは整形外科で正確な診断を受け骨などに異常がないと確認できたら、整骨院で治療を受けるとよいでしょう。
慢性期にできるセルフケア
ここからはむちうちの慢性期から、1日でも早く完治に向かうためにできるセルフケアをご紹介します。
なお、以下のセルフケアは、通っている整形外科や整骨院に相談してから行うようにしてくださいね。
セルフケア①:湯船に浸かる
むちうちの慢性期は、体を温めて血行を良くし、筋肉を緩めることが大切です。お風呂で湯船にゆっくり浸かるだけで、充分なセルフケアになります。お湯はぬるめに設定し、15分〜20分程度浸かりましょう。
セルフケア②:ストレッチ
ストレッチも慢性期にできるセルフケアの一つです。
むちうちに効果的なストレッチには、以下のようなものがあります。
- ・頭を横に倒し、首の横を伸ばす
- ・後頭部に両手を当てて顔を下にむけ、首の後ろを伸ばす
ストレッチは無理をせず行い、少しでも痛みが出たら中止するようにしましょう。
むちうちを早く治すには、通院して時期に応じた治療を受けよう
むちうちは急性期と慢性期の時期に応じて、適切な対処をする必要があります。急性期はとにかく冷やして安静にし、症状を落ち着けましょう。そして、慢性期になったら、温めたり直接手で触れたりして、筋肉をほぐしてみてください。
また、整形外科や整骨院に通うこともむちうちを早く治すうえで大切なポイントです。むちうちの症状が出たら、すぐに整形外科や整骨院に通院して、急性期と慢性期に応じた適切な治療を受けましょう。