むちうちの通院が週1回でも慰謝料はもらえる?相談先や受診先も解説
「むちうちの通院が週1回しかできない!」
「週1回の通院で慰謝料は減額される?」
「慰謝料をもらうには相談先や受診先はどこ?」
などとお悩みではないでしょうか。
交通事故に遭ってケガをしたときは、通院日数などによって慰謝料が決まります。
通院期間が長いにもかかわらず、通院日数が「週1回」などと短い場合は慰謝料が減額される可能性があります。
しかし、仕事や家事などで通院日数が確保できないこともあるでしょう。今回はむちうちでの通院日数が少ない場合の慰謝料などについてご紹介します。
最後までお読みいただくことで、通院日数が少ない場合の対処方法が分かります。
目次
「むちうち」の症状
交通事故に遭った際には「むちうち」になる可能性があります。むちうちは正式名称を「頸椎捻挫(けいついねんざ)」や「頸部挫傷(けいぶざしょう)」などといいます。また、主な症状は下記を確認してください。
- ・首や肩の痛み
- ・頭痛
- ・吐き気
- ・しびれ
- ・倦怠感
上記のように首や肩の痛みだけではなく、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。よって、むちうちと診断された際は、定期的な通院が必要です。
交通事故で「むちうち」になったときの受診先
交通事故に遭ってむちうちになった際は、下記でご紹介する受診先での診断や治療などをご検討ください。
整形外科
基本的に交通事故に遭ったら整形外科を受診してください。整形外科は筋肉や骨の専門家であり、レントゲンやMRI、CTなどの専門的な検査ができるからです。慰謝料を請求するときには医師の診断書や検査結果が有利な証拠になる可能性もあります。
また、後遺症が残るような状態であればMRI等の他にもジャクソンテストやスパーリングテストなどの神経学的な検査が受けられます。このように整形外科は症状に対して必要な検査を受けられるため、受診して診断書などを揃えましょう。
整骨院
整骨院では国家資格を取得した柔道整復師の技術をもとに施術を行ないます。柔道整復師は自らの手を使って施術する従手療法や整復法、電気などを活用する物理療法などさまざまな施術が可能です。
施術を受ける際にかかった費用は慰謝料として請求できます。ただし、整骨院には医師が不在であり、必要な検査を受けられないケースがあります。
針灸院
鍼灸院にはり師ときゅう師が在籍しており、鍼の施術は「はり師」、灸の施術は「きゅう師」が行ないます。主に交通事故による症状を和らげる施術を受けられます。施術を受けるときは、症状緩和に有効なツボの選択が可能です。
それにより血流やリンパの流れが改善して、症状を緩和させます。ただし、整骨院と同様で必要な検査を受けたり診断書を書いてもらったりできない可能性があります。
慰謝料(損害賠償)の相談先
慰謝料や損害賠償を請求するにあたり、下記でご紹介する相談先をご利用ください。専門的な知識などをもとに的確なアドバイスがもらえます。
弁護士
弁護士は法律の専門家として、保険会社や加害者とさまざまな交渉が可能です。交渉次第では慰謝料の増加が期待できます。基本的に相手方との示談交渉では、相手方の任意保険基準の金額が提示されます。
ここで弁護士に介入してもらうことで、任意保険基準よりも金額が高い弁護士基準での金額の獲得が可能です。ただし、弁護士には得意分野があるため、交通事故関係に強い弁護士へのご依頼をご検討ください。
公的な相談窓口
「いきなり弁護士に相談するのはハードルが高い・・・」などと考えるならば、公的な相談窓口を利用しましょう。公的な相談窓口であれば、無料で相談できたり次の行動のアドバイスを受けられます。
例えば、国土交通省のホームページでは幅広い相談窓口が掲載されています。相談内容に応じて、最適な窓口にお問合せください。
「むちうち」の通院が週1回でも慰謝料はもらえるのか
相手方に慰謝料を請求する際の観点として、「週1回の通院でも可能なのか」と考えるケースがあります。下記の内容で、慰謝料と通院ペースについてご紹介します。
慰謝料が減額される可能性がある
結論からいうと、週1回の通院では慰謝料が減額される可能性があります。具体的には、医師の診断で週2回の通院が必要と診断されて週1回しか通わなかったときです。その際は、「週1回の通院ならばそこまで症状が悪くないだろう」と判断され、慰謝料が減額されます。
仮につらい症状があってもむちうちの苦しさなどは本人にしかわからず、相手方としては通院回数などで判断するのです。ただし、大きい病院で受診をして主治医が週1回しか居なければ、大きく減額される可能性は低いでしょう。
一方で仕事の忙しさ等から週1回しか通院できない場合は、相手方の保険会社と根気強い交渉が必要です。交渉の結果、慰謝料が減額になるかどうかは、その時々で異なります。
治療期間をベースに慰謝料を請求できる
さまざまな理由から週1回の通院しかできない場合では、治療期間をベースにして慰謝料が請求できます。具体例は下記をご覧ください。
- ・勤務先の就業規則などで病院に通えない場合
- ・有給休暇の取得方法により通院がしにくい場合
- ・繁忙期と重なり通院ができない場合
上記のようなケースでは、相手方の保険会社と相談しましょう。
「むちうち」の通院期間や通院頻度の目安
慰謝料の請求では通院期間や通院頻度がかかわります。そこで、むちうちの通院期間や通院頻度の目安をご紹介します。
通院期間の目安
むちうちに関しては3か月程度が一般的な治療期間といわれます。しかし、「この期間通院すれば治ります」とはいえません。6か月や1年以上に長引く可能性も考えられます。
また、通院期間が終わった後に痛みやしびれなどの後遺症が残るケースもあるでしょう。総合的に考えて長期的な治療が必要になる可能性があり、一般的にいわれる通院期間は目安として捉えてください。
通院頻度の目安
むちうちの通院頻度は、2日に1回のペースで良いといわれています。しかし、症状などによって変わります。週1回では通院ペースが少ない場合がありますが、そのペースで十分なケースもあるでしょう。
ただし、通院間隔が空くと筋肉や骨が交通事故に遭った状態に戻り、身体が正常に記憶できない可能性があります。通院頻度の少なさは慰謝料の面だけではなく、健康面でもデメリットが生じます。
週1回の通院で慰謝料を確保するために
さまざまな理由から週1回の通院しかできない場合があります。そのケースでも慰謝料を確保する方法を解説します。
整形外科で必要な検査を受ける
先述のとおり、交通事故後に必要な検査を受けた際の検査結果や診断書などは、慰謝料を請求するときの貴重な資料です。仮に後遺症が残るケースであれば、さまざまな検査を受けて、より詳細な資料として残しておきましょう。神経根障害など神経系の後遺症を中心に、検査を受けてください。
後遺障害認定の手続きをする
後遺症が残った場合は、後遺障害認定を申請してください。認定されると等級によって慰謝料が支払われます。下記で後遺障害認定の手続きに必要になる主な種類をご紹介します。
- ・自賠責保険支払請求書兼支払指図書
- ・交通事故証明書、事故発生状況報告書
- ・診療報酬明細書及び診断書(毎月発行されるもの)
- ・後遺障害診断書
- ・レントゲン、MRI等の画像
上記の他にも必要な書類があるケースも考えられるため、相手方の保険会社に事前確認が必要です。
慰謝料の算定基準を見直す
慰謝料の算定基準には自賠責・任意保険会社・弁護士の3種類があります。自賠責基準は上限が120万円であり、超過分は任意保険会社の基準で算出します。また、3つの算定基準のなかでは、弁護士基準が最も高額です。
ご自身が加入している任意保険で弁護士特約がついていると、弁護士費用を保険会社が負担します。よって、費用をかけずに弁護士基準で慰謝料の請求が可能です。今一度、加入中の保険内容を確認してみましょう。
慰謝料確保のための知識を身につけよう
交通事故に遭ってむちうちになったら、整形外科で必要な検査を受けて慰謝料の請求に備えてください。また、慰謝料の算定基準を踏まえ治療費などを賄える請求をしましょう。
慰謝料の請求ではご自身の費用面の負担をできるだけ少なくなるように進めてください。今回、ご紹介した受診や慰謝料に関する知識を身につけていきましょう。