交通事故で単独・自損事故を起こしてしまった!保険は何を使う?

単独事故

自損事故とは、ガードレールや電柱などにぶつかるなど、相手方がおらず、運転者、自らが誤って起こした単独事故のことを言います。自動車事故では、事故の程度に関わらず、脳内出血や、むち打ち症、腰痛など引き起こすことがありますので、ケガの放置は危険です。

ここでは、自損事故を起こしてしまったとき、何をするべきか、また保険の補償はどんなものが使えるのかなどを解説していきます。

 

自損事故を起こした時にやっておくこと

事故を起こしてしまった時にやること

自損事故は、過失割合が100%自分になる自分のミスによる事故です。そのため、軽い事故だと、放置してしまったり、警察の届出をしないことも少なくありませんが、必ず以下の2つを行っておかないとトラブルになったり、補償が受けられなくなります。

・警察に届出をする
・病院に診察に行く

 

自損事故は当て逃げしなければ、罰金・違反点数の加点なし

電柱などに当てて逃げてしまうことを「当て逃げ」といいますが、逃げる理由として、罰金や違反点数の加点を避けるために、逃げてしまうのだと思います。ですが、単独事故の場合は、損害は自分だけになるため警察に届け出すれば、処罰対象外となり、罰金も違反点数の加点もありません

しかし当て逃げは、違いますなぜなら、道路交通法では、自損事故や物損事故は、交通法72条にある「救護措置義務違反(きゅうごそちぎむいはん)」「報告義務違反罪(ほうこくぎむいはん)」という義務が乗車している人に課せられているからです。

報告せずに放置して、当て逃げとして捕まった場合、以下のような措置が課されます。

【違反点数の加点】

・安全運転義務違反…2
・危険防止措置義務違反…5
事故前歴も関わりますが、最低30日間の免許停止処分となる合計点数)

【罰金】

10万円以下(もしくは懲役1年以下)

このように、逃げることは損しかありませんので、きちんと警察に届けましょう。

 

保険の補償をもらうには「交通事故証明」が必要

保険会社から、車両保険の補償をもらうには、交通事故が起こったことを証明しなければいけません。そのために、「交通事故証明書」が必要です。警察に届けることで発行されます。

事故が起こったその場で、警察に電話することで届け出になります。

①事故を起こした場所
②日にちと時間
③損害物と程度
④自損事故後の安全確認措置

 

病院で受診しておく

事故の程度が小さい場合「大丈夫だろう」と思っていると、数日後に異変が生じてくる場合があります。事故のケガは、見た目では分からないことが多くあります。衝突した衝撃で、脳内出血やむち打ち症などを起こしていることもありますので、念のため受診しておくと良いでしょう。その際には、診断書をもらっておいてください

 

自損事故保険はどこまで保険で補償される?

疑問を感じる女性

自損事故保険は、任意保険に加入する際、自動で付いていることが多くあり、自分や同乗者(家族・友人など)がケガをした場合に使えますまた、補償する保険金額の上限が決まっていて、金額の変更ができないのが特徴です。

自損事故保険は、一般的には以下のような補償金額となっています。

補償内容

種類

金額

傷害

医療保険金

1日あたり
通院4,000
入院6,000

後遺障害

後遺障害保険金

50万円~2,000万円

介護

介護費用保険金

200万円~350万円

死亡

死亡保険金

1,500万円

 

最近では、人身傷害保険で単独事故の補償もカバーができるため、「自損事故の加入を勧めない」保険会社も増えてきているようです。

 

自損事故のケガに使える保険

納得する女性

加入している自動車保険で、自損事故では付けている保険の内、何がケガの補償に使えるのかわからない方が多いと思います。契約時に付けていない場合もありますが、一般的に次のような保険が、どんなものを補償するのか、まとめてみました。

保険の種類

自分のケガ

同乗者のケガ

自分の車

他人の所有物

自分の所有物

強制保険

自賠責保険

×

×

×

×

任意保険

人身傷害保険

 

×

×

×

搭乗者傷害保険

 

×

×

×

自損事故保険

 

×

×

×

車両保険

×

 

×

×

×

対物賠償保険

×

 

×

×

×

対人賠償責任保険

×

 

*

×

×

×

自宅・車庫等修理

費用補償特約

×

 

×

×

×

*同乗者家族は含まれない場合がある)

 

自賠責保険は、車両を購入したときに強制的に加入しなければならない「強制保険」と言われる保険で対象は、人のみを補償する保険です。ですが、この保険は、運転者本人は補償の対象外となり、相手や同乗者のみを補償するものです。

自損事故(単独事故)で、補償される保険は、以下になります。

【自損事故のケガに使える保険】

・自損事故保険保険金額の上限が決まっていて変更できない。
人身傷害補償保険加入時に任意の保険金額の上限を決められる。無制限もあり。
・搭乗者傷害保険定額の支払いだが、部位や症状が決定次第、すぐに支払われる。

これら3つの保険は、自分と同乗者も両方とも補償が受けられます。

 

【対物で使える保険】

・対物賠償保険他人の財産になるものが対象。他人の車や家の門、家の壁などを壊してしまったなど

・自宅・車庫等修理費用補償特約自分が所有する車庫や家屋など

対物賠償保険では、自分の所有物は対象外ですが、特約を付けることで補償されるようになります。

 

故意や酒気帯び運転など補償されないケースもある

自損事故でも、以下のようなことは補償されません。

・運転者の故意・重大な過失
・自損事故を起こした際に、警察に届けなかった場合
・酒気帯び運転状態での運転
・麻薬や大麻などの影響で、正常な運転ができない恐れがある状態での運転
・盗難車による自損事故

など

 

自損事故で保険を使うと等級が下がる?

自動車保険には、保険料を決める「等級」という基準があります。1等級~20等級まである中で、等級によって保険料が決まり、等級が下がると保険料が上がるというものです。

使う保険によって、等級が下がり、翌年の保険料が大幅にアップすることもあれば、使っても等級や保険料も変わらない「ノーカウント事故」というものもあります。

 

どうなると等級が下がるのか

単純に保険金を受け取るという行為が、等級を下げるわけではありません。等級の変化は、事故の状況も考慮に入っています。ここでは、相手方がいない自損事故で当てはまるものをご紹介します。

3等級ダウンに相当する事故の例

・他人の家の壁にぶつかり、損害を補償
・自宅で車庫入れ中に、壁にぶつかり車を修理
・当て逃げされたため車を修理(一般型の車両保険に加入の場合)

1等級ダウンに相当する事故の例

・車が盗難にあった
・台風などの水災で車を修理
・車にいたずらされて車を修理
・飛び石で傷ついて車を修理

 

「ノーカウント事故」なら等級が下がらない

事故を起こしたとしても、事故として件数に入らない事故を「ノーカウント事故」と言います。ノーカウント事故に該当するものなら、翌年度も等級が下がることなく、無事故と同様に保険料が上がらずに加入を続けられます。

等級が下がらない事故の例

以下の保険金のいずれかのみ、または、これらの組み合わせのみで使用した場合は、ノーカウント事故となります。

・人身傷害保険事故
・搭乗者傷害保険
・無保険車傷害保険金(搭乗者が後遺障害となった・死亡した場合のみ)

自損事故でケガをした場合は、ご自身、同乗者にも「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」が適用されますので「ノーカウント事故」に該当するため、等級は下がらず、翌年度も通常と同じように1等級上がります。

つまり、自損事故(単独事故)でケガをして、上記の保険を使っても、事故をしていないのと同じになります。なので、軽微な事故でもそのままにせず、警察に届出をして、病院で受診し診断書をもらっておけば、安心して治療を行うことができます。

各保険会社によって条件が異なる場合もあるため、必ずご自身でご加入中の保険の補償内容をご確認ください。

 

自損事故によるケガの治療は、経験豊富なドリーム接骨院へ

当院には、毎月交通事故のケガや後遺症に悩む方が多くご来院されています。そのため、「心配事が」「保険と健康保険、どっちで治療した方がいいの?」など、施術の際にご相談されることも少なくありません。

患者様の立場になって、ベストな方法をお話させていただくことで、心配事を少しでも減らしていただければと思います。

早くもとの生活に戻るための、心と体両方のケアをしながらの施術は、多くの方に喜ばれています。少しでも早く治したいと思われましたら、電話相談もしていますのでお気軽にお問い合わせください