交通事故に遭った・起こした時の人身傷害保険の使い方

自動車保険の疑問

自分が加害者側となったり、単独事故や自損事故の場合は、治療費や車の修理費は自分が支払うことになるので、少しでも負担を減らしたいですよね

そんなときは、ご自身が加入している自動車保険に「人身傷害保険(人身傷害補償特約)」が付いていれば、その補償を利用して、加入時に設定した金額を上限に、治療費や慰謝料などを受け取ることができます。

人身傷害保険は、オプションではなく標準プランとして付いていることも多いため、2020年時点で加入率は7割以上となっています。
(出典:損害保険料率算出機構「自動車保険の概況」

今回は、自動車の交通事故でケガをしたときの、「人身傷害保険」について詳しく解説していきます。

 

人身傷害補償保険は交通事故の広い範囲で使える

交通事故

人身傷害保険は、自動車事故による、ご自身や同乗者のケガなどに備える保険で、自賠責保険ではカバーできない部分を補う任意保険です。

一般的な人身傷害保険の特長

補償対象のみ
治療費休業損害精神的損害など、実際にかかった損害額が補償される(算定額は各社の基準による) 
過失割合に関係なく、被保険者1名ごとに契約の保険金額の範囲で補償が受け取れる
相手側の保険では、補償金額が不足している場合に受け取れる
単独事故自損事故当て逃げひき逃げ被害のときも使える

 

人身傷害保険は2種類ある

人身傷害保険は、「搭乗中」または、「車外事故」を補償する2つのタイプがあります。保険会社の細かな規約がありますが、大きく分けると以下のようなものです。

1.搭乗中のみ補償型契約した車両に「搭乗中」に起こった交通事故のみを補償する

2.搭乗中+車外補償型歩行中や自転車運転中など「契約した車両に乗っていない」ときの交通事故も補償する

 

契約車両に搭乗中の事故

契約車両以外に乗車中の事故

歩行中・自転車運転中の事故

搭乗中のみ補償型

×

×

搭乗中+車外補償型

 

注意点として、自動車保険の多くは、自損事故保険が自動で付いていますそのため、人身傷害保険と自損事故保険の補償が重なる場合は、両方からは受け取れません「人身傷害保険」のみから支払われます。

 

交通事故の過失割合があっても人身傷害保険は全額もらえる

損害賠償

前述しましたように、人身傷害保険は過失割合に関係なく、治療費や休業損害、慰謝料などの実際に発生した損害金を保険金として受け取れます。ただし、相手側から支払われる賠償金額は重複して受け取ることはできません。

【損害総額1000万円、過失割合が46で自分が「4割」だった場合】

通常の示談の場合

人身傷害保険の場合

損害総額

1000万円

1000万円

補償される金額

600万円
=過失相殺で400万円減額

1000万円
=相手方の自賠責保から600万円+自身の人身傷害から400万円

過失割合に関係なく、損害総額分がもらえる!

 

上記の通り、最大1,000万円は補償されますが、自賠責と人身傷害の重複で1,600万円にはなりませんよ、という意味です。

 

人身傷害保険はいつもらえる?

事故の過失割合の責任でもめたり、加害者側が認めようとしない場合、示談交渉が長引いてしまうケースもあります。そんなとき、人身傷害保険を使えば、相手方との示談交渉を待たずに、保険金を受け取ることができる場合もあります。(各保険会社の規定によります)

 

搭乗者傷害保険を付けていると早く保険金がもらえる

人身傷害保険と似ている保険に「搭乗者保険」というものがあります。この保険も4台に1台の車が加入しているほどの加入率のため、一度ご加入中の自動車保険の内容をご確認頂くと良いと思います。

搭乗者保険と人身傷害保険の最大の違いは、補償金額が定額なのか実損額なのか、という点にあります。搭乗者保険では支払われる金額は、怪我の部位・症状ごとに決められた定額の補償額です。そのためケガが重症だったり、治療期間が長期になる場合は、治療費が足りなくなるというデメリットもあります。そこを補えるのが、治療費を全額受け取れる人身傷害保険です。

人身傷害保険

搭乗者保険

保険金

過失割合に関係なく実際の損害額の支払い

ケガの部位・症状ごとに予め決められた金額

補償範囲

2種類
・搭乗中のみ補償型
・搭乗中+車外補償型

契約車両に搭乗中

支払い

実損額

定額

支払い時期

実損額の確定後

診断がおり条件を満たしたら

 

一方で、支払いがよりスピーディなのは「搭乗者保険」です。治療給付金として、医師の治療を受診した場合は、入通院日数に関わらずあらかじめ決められた金額が支払われますまた、医療保険では入通院の日数が5日以上になった場合は、ケガをした部位や症状が決定した段階で、速やかに支払われます

そのため、人身傷害保険に上乗せで搭乗者保険に加入していると、より手厚い補償となるでしょう。

 

人身傷害補償保険で補償されるお金はどこまで?

疑問に思う女性

乗車中に起こった事故で、補償されるのはどこまでの範囲でしょうか?以下にまとめました。

ケガによる通院・入院

実際にかかった治療費等

休業損害

精神的損害

後遺障害が残った場合

逸失利益

精神的損害

将来の介護料

その他

死亡した場合

葬祭費

逸失利益

精神的損害

その他

 

上記のように、自分が加入する人身傷害保険から、お金を受け取ることができます。治療費や仕事を休んだ場合の損失や、これらのことに関する精神的苦痛に対しての慰謝料が補償されます。

また、後遺障害が残った場合は、働く能力が失われたために、将来的に得られるはずだった利益に対して補償がでる「逸失利益」や今後必要になる介護料、また、本人の「家族」が負った「精神的損害」なども、相当因果関係として認められれば、支払われることもあります。

 

人身傷害保険からいくら受け取れるかは、加入時の設定による

人身傷害保険の契約時に、保険金額を設定します。例えば、3,000万円や5,000万円、1億円、2億円、無制限などです。そして、各保険会社の算定基準に基づき、実際の損害額が補償されます。そのため、自賠責保険や弁護士基準の補償額とは異なる可能性があります。

重傷を負ったり、後遺障害が残った場合などは、お金が多く必要ですので助かる補償となるのは間違いありません。

 

【実際の事故例】相手側が理不尽で示談が長引く場合

困っている様子

事故相手の対応が悪かったり、突然豹変したりして、示談が長引くことは、交通事故ではよくあります。以下のような事例を参考にしてみましょう。

丁字路から飛び出してきた車に横からぶつけられた

・過失割合を最初から73を主張してくるなど、加害者とは思えないほど横暴
・長引くのも嫌で、これ以上ストレスを受けたくなく、最終的に73を受け入れた
・損害額を相殺払いで終わらせてもらうよう保険会社に伝えたところ、なぜか相手側は相殺払いを受け入れないと主張
・損害額が支払われず、車の修理もまだできていない
・精神的苦痛も限界

 

このような示談が難航しそうな場合は、すぐに人身傷害保険を使った方が、ストレスも少なく実際の治療費も満額受け取れるので、ケガの治療に専念できます。ただ、自動車の修理費は、人身傷害保険の範囲ではないので、車両保険を使うことになります。

 

人身傷害保険を利用した場合は車両保険の等級は下がらない

車両保険を使うと、等級が下がるのでは?と思われるかもしれませんが、「ノーカウント事故」というものがあり、契約車両に乗っていた人がケガや死亡し、人身傷害保険を利用した場合などに適用されます。

ノーカウント事故は、車両保険を使っても等級が下がることはなく、翌年度も保険料が上がらないため、上記の例で、ケガの治療と車の修理が必要な場合は、人身傷害保険と車両保険を使うと良いでしょう。

各保険会社によって条件が異なる場合もあるため、必ずご自身でご加入中の保険の補償内容をご確認ください

 

交通事故の治療はドリーム接骨院にお任せ下さい

当院には、毎月多くの交通事故患者様が来院されています。施術をしながら「相手(相手方の保険会社)とこんな状態で困っている」「保険がよくわからない」などのご相談もよくいただいます。

こうしたご相談に関しても、豊富な経験をもとにお答えできる範囲でアドバイスをさせて頂いていますし、専門性の高い内容については交通事故に強い弁護士をご紹介いたします。

つらい痛みやしつこい症状にお困りの方は、人身傷害保険での治療にも対応している当院まで、お気軽にご相談ください。

事前の電話相談も受け付けています。早い完治を目指して、痛みの根本からのケアが可能です。気になる痛みがある方は、今すぐにお電話ください。